先日お客様のYさんからしばらくぶりのご連絡。
新しくノートパソコンを購入したのですが、ネットが急に使えなくなってしまったのと、このノートパソコンは現在所持しているプリンタが利用できるものなのかということもご相談したくて・・・。
とのこと。Windows8(又は8.1)なのかな?と思ってお聞きしたのですが、(どうも違うみたいのようなニュアンスで)よくわからないとのこと。
ご訪問してみるとそこには、1台のよく見かける形状のノートパソコン。実はこれ(2013年11月現在)日本未発売の「Chrome Book」!\(◎o◎)/!
(以下、関連写真はYさんに撮影・ブログ掲載の許可を頂いたものです。)
このブログを閲覧してくれている方ならご存知だと思いますが、「Chrome Book」とはChromeブラウザを使ってグーグルのクラウドサービスを中心としたネット利用に特化したパソコン。
OSには「Chrome OS」が搭載されていますが、設定はブラウザーで行うのが特徴で(他にはFirefox OSなど)、総称して「ブラウザ OS」とか「Web OS」などと呼ばれています。
Windows搭載パソコンと比較しての大きなアドバンテージは、
- 価格が約30,000円程度とかなり手頃。
- バッテリーでの利用時間が非常に長い。
- ユーザーサイドでのセキュリティ保守がほぼ不要。
(ネットサービスの利用に特化しているため基本的に他にソフトをインストールすることは出来ないのですが、その分アップデート作業はChromeだけで済みます。
(しかもセキュリティパッチのアップデートはバックグラウンドで自動的に行われます。))
- SSD搭載 (高速起動、衝撃による故障に強い)
などなど。コンピュータの知識が少ないユーザーでもお手頃に利用できるような仕組みや配慮が随所に見受けられます。
実際少し操作させて頂きましたが、これが実に良く出来ている。( ̄○ ̄;)!
- 動作はサクサクで軽快だし、
- スマホ/タブレットでは面倒なオーサリング(編集)をそつなくこなせて、
- それでいてWindowsPCソフトほどの強力なオーサリング機能は必要ない。
という(潜在的に結構存在していると思われる)ユーザー層にぴったり。
で、そもそもYさんがなぜ日本未発売の「Chrome Book」を所持・利用されていたのかというとYさんの娘さん(国際結婚してイギリスのブライトンに在住。このブログの2006/10/4に関連記載あり。)とお孫さんに会いに今年(2013年)の4月~6月までの2ヶ月間ほど滞在していたそうで、その滞在期間中に娘さんの旦那さん(英国のフリーランスのITエンジニア)から手軽に利用できる「Chrome Book」を奨められたのがきっかけとのこと。
日本国外で購入ということで、「Chrome Book」のACアダプタのコンセントはこんな感じ。(海外旅行によく行く方にとってはおなじみの形状だと思います。)
日本国内で利用するには変換アダプターが必要になります。
ちなみにYさんの「Chrome Book」はヒューレットパッカード社の14インチサイズでAmazonで平行輸入品を入手することが可能のようです。
(スペック等の確認したい方は以下のリンクをクリックしてみて下さい。)
(大きな成功を収めている「Android」に対して、)「Chrome OS」はブレイクした!とまでは言えない状況だと思いますが、ターゲットや方向性、戦略などについては以下書籍に中々興味深い記載あり。
日経Linux 2013年12月号の特集記事(P91~P101)には、「Chrome OS」のオープンソース版「Chromium OS(クロミウム オーエス)」をパソコンに導入する方法の掲載があり。
(ソースコードからビルドするのでそれなりに時間と手間がかかります。)
話がだいぶ長くなってしまいましたが、Yさんのサポートご依頼のうちネット利用が出来ない原因は無線LANルータのケーブルが抜けていたという単純なものでしたが問題は印刷の方。
「Chrome Book」は、パソコンのようにプリンタドライバーをインストールしてUSB経由とかLAN経由での印刷を行うことはできません。
では印刷は無理なの?というと、そこはスマホ同様、ネット利用に特化した機器独特の仕組み「Google クラウドプリント」サービスを利用して印刷を実現します。
Yさん宅でご利用のプリンタ複合機は(製品名は忘却しましたが)2006年前後のエプソン複合機・・・(-_-;)
パソコン経由で印刷することも出来ないことはないものの、元々YさんがWindowsパソコンではなく「Chrome Book」を利用しているのは、「簡単に!」ということが最大の理由なわけであるからここは小難しいことはできれば避けたいところ。
ヒューレットパッカード社のプリンタ・複合機の多くが、Google クラウドプリント」サービス(HP ePrint プリンタ)に対応しているし、価格も5,000円前後と比較的安価なものが多い。数種類ピックアップしてお手頃な複合機の導入を提案してみてみよっと。
ちょうどYさんの利用している「Chrome Book」もヒューレット・パッカード社のものだしね。
数年前までデスクトップ(クライアント)パソコンと言えばWindows一辺倒でしたが、スマホ/タブレットそして今回のWebOS搭載の「Chrome Book」で改めて、多彩なネットデバイスの選択ができる時代に突入したことを実感した次第です。
この流れでいくと、いよいよ近未来を彷彿させるウェアラブルコンピューティングデバイスが急速に浸透してくる?
こんな記事もありましたが、世の中はどう動くのかな?
Google の Chromebook が成功すると考える10の理由
個人的には「理由10」の文面(の一部)、「Google には資金力も時間も十分にある」が強く脳裏に残った。( ̄○ ̄;)!
Google は、Chrome OS をいますぐヒットさせる必要はない。ゆっくりと PC ユーザーに対して宣教を続け、Google の考える新しいコンピューティングの世界に誘えばよいのだから。
日々熾烈なPC/タブレット戦争が行われている水面下で、気がついたら(ゆっくりとそれでいてしっかりと)ユーザーを獲得して根付いていく「Chrome OS/Chrome Book」…。